日本人の年収は世界的にはかなり高い

ネットにはいろいろなサイトがある。
Giving What We Can 
という海外のサイトを紹介したい。
https://www.givingwhatwecan.org/

「自分ができる範囲のことをしよう」と訳してみた。
このサイトでは、世界の人々の年収レベル(税引き後)が分かる。
英語のサイトで、入力欄があるが、国をJapanとし、税引き後の年収と家族の人数を入れるだけ。
↓ 生成AIで「ちょっとリッチな暮らし」の画像

では使ってみよう。
例えば、「年収300万円時代を生き抜く経済学」という本がある。
森永卓郎氏が2005年に出した本だ。
日本人の常識に比べ、年収が少ないということで随分議論された。
この年収300万円で調べてみる。

あるサイトでは、単身世帯では手取りが240万円になる。
これを上記のサイトに入力すると、世界でこれ以上の年収の人は7.6%いることが分かる。
当時、年収300万円は少ないという趣旨の本だったが、世界レベルで比較するとかなりリッチなほうだ。

また、同氏は2020年に「年収200万円でもたのしく暮らせます」という本を出した。
単身で200万円だと手取りは163万円で、世界では上位12.8%になる。これでもリッチなほうだ。

次に、世帯年収の中央値:423万円(2022年)で調べた。
このレベルは、夫婦2人世帯や、子供を含め4人世帯になるか?
と思ったが、手取り額が分からないので、単身の場合の手取り335万円を入力した。
2人世帯の場合は上位12.4%
4人世帯の場合は上位24.1%になる。
だいぶ下がったが、世界で上位に位置付けられることに変わりはない。

世界では、単身世帯の年収の中央値は33万円のようだ。

それで、このサイトで言いたいこと:
「データが示す通り、皆さん、十分リッチですね。
 世界には収入の少ない人がたくさんいるんですよ。
 少し寄付してもらえませんか?」

ごもっともだ。

2009年、オックスフォード大学のToby Ord教授が “Giving What We Can”(本家の訳:自分ができる事を与えよう)という運動を始めた。

ビル・ゲイツ氏のような大富豪は莫大な寄付をする。
一方、この運動では普通の人ができる範囲で寄附をしようと呼びかける。

自分が贅沢をするより、世界の片隅で困っている人を助けたい。
そんな人たちの集まりである。
その志の尊さに、頭が下がるばかりである。

ただ、寄付するときは、寄付が有効に使われているかよく確認してからにしたい。