そこはかとなく

日常の記録や気付いたこと、調べたことなどを書いています。

村八分は今も田舎にある

これは、かなり田舎に住む知人Aさんの話。
Aさんのお父さんが亡くなって葬儀を行った。
地域の人が100人近く参列した。
家族、親戚、友人など合わせると参列者は200人ほど。
お香典もかなり多かった。
Aさんは参列者に感謝しつつ、無事葬儀を終えた。

しかしAさんはお香典返しをしなかった。
忘れていたのか? 理由は知らない。
Aさんは参列者の顰蹙を買った。

その数か月後、同じ地域でAさんの兄弟が亡くなった。
田舎なので参列者は多かった。
親戚、友人、知人、会社関係者など。
しかし、地域の人は一人も来なかった。
遺族が不思議がっていた。
「地域の葬儀には必ず行っていたのに」
冠婚葬祭をとても大事にする地域なのに・・・
翌日、同じ地域の親戚の人がコソコソとお香典を持ってきた。
これは明らかにAさんのせいだろう。

Aさんの家は農家だった。
村八分にされたら農業はできない。
それで、Aさんはお父さんの1周忌に地域の人を招待した。
御仏前は受け取らず、皆で飲んで食べて。
それで地域の人の怒りも収まった。

老後は田舎で暮らしたいと考えている人はご用心を。

数年後、Aさんの奥さんが亡くなった。
Aさんは地域の人に知らせずに家族葬にした。
葬儀はつつがなく行われた。
そしてその時もなぜか、Aさんはお香典返しをしなかった。

親戚中の顰蹙を買った。
Aさん、懲りないというか何というか。。
親戚の中に地域の有力者がいた。真剣に怒った。
「お前はワシの顔に泥を塗った!」

思うに、参列者はAさんがお香典返しをしていないことに気付いていた。
であれば、親戚でも地域の人でも、お香典返しをするよう、Aさんに助言してあげてもよかったのではないか?
いきなり村八分にするとは、冷たいのではないか?
Aさんの兄弟の葬儀を全員でボイコットするとは、すごい団結力だ。
それとも、Aさんはもともと嫌われ者だったのか?
いずれにせよ、こんな地域には住みたくないと思った。

消滅可能性自治体が問題になっているが、それは田舎の人の意識も原因かもしれない。
ある地域では、転入者にゴミ出しをさせないらしい。
またある地域では、新入りの服装や外出にまで口出しするらしい。
そんな地域に住みたい人はいないだろう。
自分で自分の首を絞めているだけのような気がする。