そこはかとなく

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少子化 - 中学校の部活動はどうなっているか?

少子化に関連することで、気になったことを調べてみた。
中学校の部活動について。

部活動は、学校単位で実施してきた。
2023年から段階的に地域に移行する方針になっている。
これについては、後日書きたい。
今回は、中学校の運動部活動の部員数について調べてみた。

2001年から2023年にかけて、中学生数は80%に減少している。
これだけ減少したら部活動にも影響が出るだろう。
以下、(公財)日本中学校体育連盟のデータからまとめた。
https://nippon-chutairen.or.jp/data/result/

この間、運動部の男子部員数、正確には上記連盟の加盟生徒数(男子)は69%に減少している。
中学生数の減少率よりも大きい。
競技種目別では、以下のようなグラフになる。

取り上げた種目は、2023年に男子部員数が多い10種目になる。
グラフから以下のことが分かる。
・バドミントンのみ増加(163%に)
 それ以外の種目は減少。
・陸上は、ほぼ同水準(98%に)
・最も減少率が大きいのは、軟式野球(40%に)
・次に減少率が大きいのは、剣道(45%に)
 グラフにはないが、他の武道も減少率が大きい。
 柔道(36%に)、相撲(40%に)
・野球以外のチームスポーツ(太線)は70%前後に減少

競技の人気は、その時の日本人選手の活躍、人気アニメやTV番組などによって左右されるという。
例えば、バレーボールは2011年頃まで減少しているが、それ以降は増加している。
この理由は、アニメ「ハイキュー!!」の影響だと言われている。
週刊少年ジャンプに連載され、現在上映中の映画も好評だ。

サッカーはワールドカップの度に盛り上がる。
競技人口が少ないラグビーは、更に影響が大きい。

野球が大きく減少している理由は、TV中継の減少だろうか?
大谷選手の活躍とグローブのプレゼントで、これから増加に転じるだろうか?

バドミントン、陸上、水泳が健闘している理由は分からない。
共通点は、比較的きれいな場所で競技する、お金がかからない、怪我やアザができにくい個人種目ということだろうか?

上位10種目で部員数の差が縮小している。
中学生の興味関心が多様化しているということだろう。

もう1つ変化している点がある。
複数の学校が合同で部活動を実施する「合同部活動」だ。
特にチームスポーツでは、部員が減り練習や試合出場ができないという問題を解消するためにだいぶ前から行われている。
合同部活動の実施は、2001年の266チームから2023年には2870チームに増えた。これは全チームの約5%にあたる。
部活動の地域移行は、学校間での合同部活動という考えを更に拡大したものと捉えることもできよう。