そこはかとなく

日常の記録や気付いたこと、調べたことなどを書いています。

上級社員の希望 よくある話

知人から聞いた話になる。 

ある女性は、お嬢様学校を卒業して企業に就職した。
就職先は、伯父さんが会長を務める大企業。
製造業なので、工場のように汗と埃にまみれる職場が多い。
しかし、モダンで清潔な事業所も少しはあった。
お嬢様はその職場に配属になり、いわゆる総務課でまじめに働いた。
お嬢様だけに、服装も持ち物も上品であった。
(写真はイメージ)

3年ほどしたら、お嬢様は転勤を希望した。
上長がこれ以上面倒を見たくなかったとか、いじめられたという噂もあったが、定かではない。
お嬢様に噂話はつきものだ。

転勤を希望した理由は、通勤に1時間もかかること。
自宅から近い職場がいいということだった。
普通の社員であれば、一笑されて終わりだろう。
しかし、お嬢様は普通の社員ではなかった。
バリバリの上級社員だった。

早速、上長が担当役員まで相談した結果、希望している職場を調査することになった。
自宅に近い職場は工場であった。
上長は、部下を従えて工場を視察した。
お嬢様が働く予定の総務課の視察、工場長など管理者との面談などが行われた。
工場は調査に合格して、翌月異動するということになった。
転勤後、お嬢様は総務課で楽しく庶務に取り組んでいる。。。

上級社員の希望は皆が叶えてあげたいと思う。
希望をほのめかせば、周りの人がささっと動く。
その見返りを期待して。

たとえ、昼休みに保険屋のおばちゃんからもらったチラシを、事務連絡文と同様に所内に回覧しても、誰も笑ったりしない。
それは彼女が上級社員だから。