1つの会社で勤め上げる人

ふと、定年まで転職せずに1社で勤め上げた人がどのくらいいるのか気になって調べてみた。

「キャリアバイブル」の調査では、定年退職した人の51.4%が1社で勤め上げている。
ただし、これは調査対象に70代も含まれているから高めになったのだろう。
最近60歳で退職した人であれば、40%台後半だろうか。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000695.000044800.html
・キャリアバイブルの該当記事(https://nexer.co.jp/career-bible/31057)
・株式会社NEXER(https://www.nexer.co.jp)

1社で勤め上げた理由もいろいろ書かれている。
まとめると、1社で勤め上げるのが当たり前だったということ。
彼らが働き出したとき、転職は例外的な行為だと考えられていた。

一方、「シニアガイド」によれば、32%が55〜59歳まで1社で勤めている。
https://seniorguide.jp/article/1148555.html

両方の調査結果を平均すれば40%くらいだろうか。
以上の調査は、40年ほど前に新卒入社した人が対象だ。

最近の就活生の考えはどうだろうか?
「産経ニュース」によれば、大学3年生(就活中?)の44%が1社で勤め上げたいと考えている。
https://www.sankei.com/article/20200224-R2MLI7RSONISRFQ535C4LU54JI/

また、「学情」による就職直前学生に対する調査では、32.7%になっている。
 https://news.mynavi.jp/techplus/article/20221215-2538534/

2つの調査が同等だとすれば、就職が決まる前後で10ポイント以上低下している・・

入社後はどうか?
「経済界」によれば、大卒の31.2%が3年以内に離職。
https://keizaikai.co.jp/media/tensyoku-20dai/

「キャリアバイブル」によれば、
現在働いている人が47.7%で転職した人が35.1%。
だから、転職して働いている人の割合は73.6%。
逆にずっと1社で勤めている現役社員は24.4%(全世代平均)。
退職者の40%程度と比べてかなり低い。

これらの調査結果は、アンケートの実施者や対象者によって変わる。
とは言え、若い人ほど転職希望者が多いのは間違いない。
1社で勤め上げる人はこれからも減るだろう。

企業としては、優秀な社員を引き留めるだけでなく、中途採用に力を入れる必要がある。
その方策は、転職者の転職理由の裏返しだろう。
・給料を上げる ・・ 無理?
・仕事量を減らして休日を増やす 
・キャリアアップにつながる仕事を増やす 
・人間関係のトラブルを未然防止する

これらについて経営者や管理者ができることは多そうだ。