そこはかとなく

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働かないおじさん問題は最近の問題か?

「働かないおじさん」という言葉は数年前からよく聞いていた。

しかし、これが「はたらくおじさん」のパロディだと気づいたのはごく最近のことだ。
はたらくおじさんは、昔のNHKの子供向け番組で、様々な職業の人たちがどのように働いているのか紹介する番組だった。
私が小学生の時、社会の授業中にテレビで見ていた。
私は結構興味深く見ていたが、1982年に放送が終了したらしい。
最近の高校生や大学生も、インターンシップに行く前にこのような番組を見ることができればいいのにと思う。

一方、働かないおじさんは、文字通り、働かない中高年の社員のことだ。
「働かないおじさん」の番組を作って、社会の授業中に小学生に見せることはありえない。そりゃそうだ。
それはともかく、難波猛氏によれば、ダラダラと新聞を読んだりスマホをしたり、営業に行く!と言ってどこかで休憩しているといった、サボりのことではない。
まじめに働いているけど、給料に見合った成果、会社が求める成果を出せない人のことだと言う。
中高年になれば、給料は高くなるが、成果は伸び悩む。
だから、若年社員ほどのコスパをたたき出すことは難しくなる。
難波氏が定義する働かないおじさんの予備軍は、若い人の中にもたくさんいる。
テクノロジーの進化が速くなればなるほど、身に付けた知識や仕事のノウハウは陳腐化しやすくなる。
歳をとって、期待された成果を出せなくなる人の割合は増えるだろう。

働かないおじさん問題は最近の問題であると言う人がいるが、昔はもっと働かなかった人がいたと思う。
まさにサボりで、新聞を読んで、タバコを吸って、雑談をするだけの管理者がいた。
私が若かった頃、この人はなぜこんなに余裕があるのか、いつ仕事をしているのか?と思った人はたくさんいた。
しかも、歳を取っているというだけで偉そうにしていた。
それで私の何倍もの給料をもらっていたから、腹が立った。

働かないおじさん問題がクローズアップされるようになったのは、会社に余裕がなくなってきて、管理者もプレーイング・マネージャとして働くようになったからではないか?
そのよう時代になったのに、相変わらず昔の管理者のように働かない、部下に指示するだけで、あとはボーっとしているような人が「働かないおじさん」として目立つようになったのではないか?
私から見れば、昔のほうがおじさんは働いていなかったように感じる。