そこはかとなく

日常の記録や気付いたこと、調べたことなどを書いています。

ロスト・ワード

いつの時代も、新しい言葉が現れ、また、古い言葉が使われなくなる。

数年前、30歳前後の人に「国鉄」の話をしたが、あまり理解できなかったようだ。
それで、国鉄を知っているか聞いたところ、知らないと言う。
国鉄は、日本国有鉄道の略で、今のJRの前身だと説明したら理解できた。
国鉄=JNR:Japan National Railways)

それなら、「連絡船」も知らないのでは?と思って聞いたら、やはり知らなかった。
連絡船は、海で隔離された鉄道の路線を結ぶために走る船のこと。
代表的な連絡船、青函連絡船宇高連絡船は30年以上前に廃止されている。
だから若い人は連絡船を知らないで当然だ。

昔、使っていた言葉がどんどん使われなくなる。
それは、いつの時代も同じだ。
技術用語のほうが使われなくなるのが早いと思う。

その最たるものが電話に関する言葉だろう。
受話器、ダイヤル、プッシュホン、ポケベル・・・
まだ残っている言葉もあるが、あと10年くらいで消える可能性があるのではないか。
ガラケーや写メという言葉は残っているということでよいのだろうか?
小説に、「ダイヤルを回す」「受話器を乱暴に置く」とか書いてあっても、意味が分かる人はどんどん減っていくだろう。

私は昭和から生きている人なので、レコードのLPやシングル盤は使ったことがある。
レコード針も替えたことがある。
今はそれを体験していない、言葉を知らない人のほうが多いかもしれない。

昔の小説を読むと、脚注が非常にたくさんある。
今は使われていない言葉の解説をしている。
それと同じように、昔の話をするときは言葉の説明が必要になるだろう。
そうしないと、きちんと意味が伝えらえない。
年代を超えたコミュニケーションは難しい。