そこはかとなく

日常の記録や気付いたこと、調べたことなどを書いています。

入社式の社長挨拶で会社が分かる

各社の入社式の社長挨拶が公開されている。

中には、AIをうまく取り込んでいる人もいる。
AIと人とを比較して、人にしかできない人への理解や心配りを呼びかける。
また、アバターや生成AIを使った挨拶の後で、本人が話をする など。
社長挨拶をたくさん読むと、似たようなパターンがあり同じ言葉が出てくる。
そういう点で、生成AIとしては作文しやすかっただろう。
生身の社長さんの課題は、その上を行くことだ。

気になった社長挨拶を2つ紹介する。

ソフトバンクグループ 孫正義会長

不満がある時は上司とぶつかり合っていいと思います。そのくらいして進化していきましょう。

器が大きい孫会長は、ぶつかっていったら受け止めてくれるだろうが、小物の上司にぶつかったら潰されるだろう。
孫会長は上司に向けて言っているのではないか?
「新入社員を潰すなよ!」

NEC 森田隆之社長

皆さんが人生におけるキャリアのスタートにNECを選び、本日皆さんを迎え入れることができて嬉しく思います。

入社したから最後まで勤めてほしいという言うのではなく、自社をキャリアのスタートと位置付けているとは懐が深い。
日本のIT企業はGAFA予備校とみなされているという話もあるが、NECはいい会社かもしれない。

挨拶として多いのは、'わが社を取り巻く環境は厳しい、変革が必要だ'と煽り、新入社員に変化やチャレンジを求めるパターンだ。
停滞している会社の特徴だろうか?

これは無理がある。
新入社員はまだ仕事を身につけていないのに変化を求めるのか?
彼らがこれからすることの全てがチャレンジだ。
変化やチャレンジが必要なのは高年齢社員だ。
社長がまず、挨拶文を変化させろと言いたい。
去年と同じような話をしてどうするのだ。

最後に、冷静になってもう1つ紹介したい。
当たり前のことを言っているのに、とても分かりやすく情熱的な話し方。
おそらくご本人の経験から出てきた魂の叫びのだろう。

森ビル 辻慎吾社長

チャンスを掴むためには、まず、目の前の仕事に夢中に取り組むことだ。どんなに小さな仕事でも考えて考えて考え抜き、最後までやり遂げたときに大きく成長することができる。そして、自分で仕事を創り出せるようになれば、仕事はもっと面白くなり、能力はさらに伸び、より大きなチャンスを掴めるようになるだろう。