有川ひろ氏の小説を初めて読んだ。
ネットで「感動する本」などのキーワードで検索するとよく出てくるのが、東野氏の「手紙」や有川氏の「旅猫リポート」だ。
東野圭吾「手紙」 - そこはかとなく
有川氏は、本名から1字とって 浩(ひろ)というペンネームにした。
ひろし と読み間違われることが多かったため、2019年に 有川 ひろ に改名したという。
旅猫リポートでは、主人公のサトルはケガをした猫を救い、ナナと名付けて5年間飼っていた。
しかし、ある事情によりナナを手放さなければならなくなる。
サトルは、ナナを飼ってくれそうな旧友を訪ねてワゴン車で一緒に旅をする。
↓ ワゴン車で猫と旅をする30代男性 by AI
サトルにとって、この旅は旧交を温めるだけでなく、これまでの人生を振り返る旅でもあった。
旧友と会う度に、昔のことを思い出す。
サトルの両親のこと、ナナの前に飼っていた猫のハチのことなど。
旧友達にはナナを手放す理由は言わない。
旧友達は猫が好きだが、それぞれの事情でナナを飼うことはできず、旅は続く。
やがて、読者はナナを手放す理由を知ることになる。
サトルの生い立ちも分かる。
普通であれば読み進めるのがつらくなる。
しかし、明るい性格のサトルと、強くて優しいナナのコンビがつらさを和らげてくれる。
さらに、サトルが訪ねる叔母が相当変わった人で、そっちに気を取られているうちに話が進む。
猫好きの人であれば、きっとラストシーンに満足するだろう。
サトルとナナが好きになるだろう。