大人になって虫が苦手になってしまった。
そういう人は多いようだ。
子供の頃は虫捕りに夢中になっていた。
田舎で育ったから、周りに虫はたくさんいた。
カブトムシやクワガタ虫だけでなく、セミ、トンボ、バッタ、蝶など、様々な虫を捕っていた。
そして普通に触っていた。
昔から苦手だったのは、クモ、ハチ、ゴキブリなど、危険なものや汚いものだった。
そして今、カブトムシやクワガタ虫だけは触ることができる。
20年ほど前にムシキングが人気になり、これらの飼育が流行った時は、つがいのカブトムシやクワガタ虫を買ってきて、産卵、孵化、羽化まで1通りやった。
その頃はセミや蝶やバッタも触ることはできた。
しかし、今は触るのがつらくなってしまった。
そこで、大人になって虫が苦手になるのはなぜか調べてみた。
その理由は以下のように説明されている。
・ゴキブリやハエなど、汚い所に生息する虫に嫌悪感を抱くようになる。
・虫に刺されて痛い目にあったり、潰したら変な汁が出てきたりと、嫌な経験を積んでいくうちに苦手になってきた。
・街で暮らすようになると、虫に触れ合う機会が減ってきた。
これらはごもっともな説明だと思う。
しかし、根本的な理由ではないような気がする。
私の場合、蝶やセミが汚いとか、危険だと感じるようになったわけではない。
単に近寄ったり触ったりしたくない。
ゴキブリやハエは、子供の頃から汚いものだと嫌っていたが、蝶は好きだった。
ハチや蚊に刺されたことはあるが、蝶に刺されたことはない。
でも今は蝶も苦手だ。触りたくない。
嫌いになった理由は、生理的なものだとしか思えない。
蛾は昔から生理的に受け付けなかった。
その理由を論理的に説明することは不可能だ。
魚やカニやエビは難なく触れる。
牛肉や鶏肉も普通に触れる。
もしかしたら、食べているものは触れるかもしれない。
イナゴを食べたら、イナゴは平気になるかもしれない。
でも、わざわざ試したくはない。