災害の避難所生活は女性には過酷

再び垣谷美雨さんの小説について。

今、「避難所」を読んでいる。能登地震に触発されたわけではないが。
この小説は、東日本大震災のとき、生き延びた3人の女性の避難所生活について。
単行本のタイトルは「避難所」だが、文庫本のタイトルは「女たちの避難所」となっている。
内容としては、まさに女性が避難所でいかに苦労するかという話であり、男性が気付かない視点がたくさんある。

特に、避難所で60代の男性がリーダー(自治会長のようなもの)になってから、避難所は女性にとってますます不便、不愉快になった。

・段ボールがあるのに避難者の間に仕切りを設けない
・トイレや物干し場が男女共用
・女性用の更衣室や授乳室がない

という状態で、プライバシーが確保されていなかった。
男性の中には、そのほうがよいと考える人さえいる。
しまいにリーダーは、男性は大変だから女性は性被害を大目に見て!と言い出す始末。

市の役人に改善を訴えても、避難者の自治に任せていると言うだけで、素知らぬ顔をする・・・

これまでの避難所の反省点が活かされていない状況。
垣谷氏は避難所についていろいろと調べており、この小説の状況はフィクションではないようだ。
能登地震の避難所では、国や自治体が過去の避難所の状況を改善して、少しでも快適な避難生活ができるようにしていただきたい。
その点で、この小説はとても役に立つ。

本当かどうかはわからないけど、海外では普通、避難所はホテルだとか。日本の避難所は学校や公民館など。
日本も早く先進国並みにならないとね。