中学校の職員室で見たこと

中学生の時の話。昭和の時代。
夏休みの始めに学校で部活をしていたとき、担任の先生に呼び出された。
1学期にクラスの委員の仕事をさぼっていたので、職員室で仕事をしろと言われた。
部活を抜け出して、昼から2時間ほど仕事した。
夏休みと言えども、先生はたくさん出勤していて、それぞれデスクワークをしていた。

そのとき、事件は起きた。
校長が職員室に入ってきた。
顔が赤い。
校外で昼食会でもあって、飲んだのだろうか?
陽気に先生方に声をかけた後、40歳前後の女性の先生に近づき、肩や背中などに手を当てた。
先生は嫌がって、静かに抵抗していたが、校長の行為はエスカレートした。

周りの先生はみな気付いていたはずだが、誰も注意しなかった。
諫言というのだろうか、全くなかった。

そのうち先生はどこかに消えていった。
先生の落ち着いた対応から、今回が初めてではないように感じた。
今から思えばセクハラだった。
そんな言葉は全くない時代だった。

先生は、2学期からも元気に授業をしていた。
私も教えてもらった。

そして翌年4月に先生は学校を替わった。
小学校の先生になった。
中学校の先生が小学校の先生になることもあるのか、と思った。
校長のセクハラが関係しているかは分からない。

中学生だった私にとって、後味の悪い事件だった。
以降、私はまじめに委員の仕事をするようになった。