そこはかとなく

日常の記録や気付いたこと、調べたことなどを書いています。

江戸時代の武士の副業

日本でも副業が認められるようになってきた。
2018年には、モデル就業規則で「副業禁止」の文言が削除された。
実質的な副業解禁ということだろう。
副業が禁止されたのは、比較的最近(数十年前)のことらしい。
それよりも前に戻ったことになる。

更にさかのぼれば、江戸時代の武士の副業に行きあたる。
下級武士は収入が少なく生活が苦しかった。
また、勤務時間が短かったから副業ができた。

武士の副業と言えば、「傘張り」というイメージがあるが、本当にしていたのだろうか?
他にどんなものがあったのだろうか?
気になってネットで調べたらいろいろ出てきた。

分類してみる。
一次産業としては、家庭菜園や植木・朝顔の栽培、金魚や小鳥・昆虫の飼育、養鶏、養蚕など。

製造業としては、傘張り、提灯張りだけでなく、編み物や織物、製紙、竹細工や将棋の駒作りなど。

さらにサービス業としては、屋敷の賃貸、剣術道場や寺子屋などの運営、書物の執筆など。

別の視点で分類すると、
〇 武士の特技を活かしたもの
 剣術道場、寺子屋、書物の執筆

〇 資産を活用したもの
 屋敷の賃貸、広大な敷地を利用した家庭菜園、養鶏

〇 はやりもの
 金魚、小鳥、昆虫(鈴虫など)の飼育、朝顔の品種改良

〇 割と簡単に始められるもの
 傘張り、楊枝削り

ということで、傘張りは本当にあったらしい。
当時は傘が高価だったので、破れた傘を業者が買い取り、それを武士が張り替えて売った。現在の通貨で1本数千円の利益があったという。

武士は品位を汚してはならないので、ある程度職種に制約はあった。
その点、剣術道場の師範はいい職種だろう。
新選組近藤勇も師範だった。

人によっては敷地が広大であったため、空き部屋を賃貸したり様々な植物を栽培したりしていた。妻の名義で土地を購入して不動産賃貸をしていた人もいたらしい。

また、養蚕業のように藩が奨励し、副業なのか本業なのか分からなくなった業種もある。
一部の副業は、組織的に取り組んでおり、それが後に地場産業になったり、地域の名産になったりしたものもある。
朝顔、竹細工、将棋の駒など。

原則、副業が禁止されている私としては少々羨ましい。
とは言え、フリマなどは活用しているが。
自分の才覚でプラスアルファの収入が得られれば面白い。
時間に余裕がある人、好きな人はどんどんやればいいと思う。
それがそのうち一大産業に成長すれば、国としてもありがたいだろう。