「交通誘導員ヨレヨレ日記」は以前読んだことがある。
今回、その漫画版が出たらしい。
「交通誘導員ヨレヨレ漫画日記」
その内容などに関する記事がこちら。
https://gendai.media/articles/-/140123
この中で、交通誘導員に「仕事の喜びとは何か」と尋ねている。
以下の回答は印象的だった。
「喜び?そんなものはないよ。警備業は忍耐業です。我々には物を作り出す喜びがない。ただただ足が棒になり、寒さや暑さを耐え忍ぶだけ。イヤな親方や口うるさいドライバーも多い。警備なんてつらいだけの修行。私は仙人になったつもりで働いている」
「修行」「仙人」という表現が秀逸。
↓ 仙人のような交通誘導員 by AI
ふと思った。
他の業種、職種も同じではないか?
労働環境は異なるが、殆ど全ての労働者。
自分の好きな仕事を好きなようにできるのは、ごく一部の人。
その人も、全部好きにできるわけではない。
好きな仕事の割合は例えば30%とか、好きなようにできる部分は20%とか。
仕事が好きでない人の仕事は修行。
仕事が好きな人でも、好きな仕事以外は修行。
大部分の仕事は、やりがいや成長とは関係ないルーチンだろう。
会計伝票を内規通りに処理するとか
設備が故障したら修理するとか
会社を存続するためには必要な仕事だ。
長年、そういう修行をした人は仙人になる。
そこに希望にあふれた若手社員が配属される。
将来はこんな商品を企画したい
こんなビジネスモデルを検討したい
目をキラキラさせて夢を語る。

でも最初の職場では修行が待っている。
修行をクリアしないと、複雑な業務は貰えない。
イヤな上司や口うるさい先輩も多い。
いつ、自分の好きなことをやれるのか?
と思って、ふと周りを見回しても、ルーチン仙人しかいない。
生活のため、やりがいを諦めた仙人たち。
自分も十年後にはああなるのか・・と若手社員は困惑する。
そんな時、大学の先輩から連絡が来る。
「AIを使った商品のベンチャーを立ち上げた。君も来ないか?」
若手社員は迷わず行ってしまう。
職場に残された仙人達は茫然とする。
人事部は、なぜ辞めたのか分からないが、
「AIは最近の流行りだから・・」
と自分を納得させて、次の若手を探し始める。
以上、半分くらいはノンフィクションになる。
新卒で入社して3年以内に辞める人の割合は、約35%ということ。
古い企業の仕事と若手社員とは永遠にマッチしない?