現在の青春18きっぷ

これまで、青春18きっぷ(以下、18きっぷ)の概要や学生時代の思い出について書いてきた。
今回は、現在18きっぷを使うことについて書きたい。

1982年の発売当時、18きっぷのターゲットは学生だった。
しかし、利用者は徐々に中高年へとシフトした。
発売当時の若者も中高年になった。
30年、40年働いて時間に余裕ができてきた。
そこでまた旅に出ようと思い立つ。

でもお金がない・・・
住宅ローン、子供の学費、老後資金・・・
お金はないけど時間は結構ある。
会社では先が見えてきた。子供は家を出た。
妻には相手にされ・・・
そんなとき、あの切符があった!と思い出す。

使ってみた。
ある観光地の近くの小さな無人駅。
ホームには1時間に1本の電車を待つ人が10人ほど。

7割くらいは中高年男性の一人旅のようだ。
これは私と同じだと気付く。

また、18きっぷの利用期間に休暇を取って旅に出た。
平日の普通列車は空いているかと思っていたら、案外混んでいた。

列車の終点で乗り換えを急ぐ中年男性がいる。
何人かは18きっぷユーザーだと推測する。
皆、身軽な服装、運動靴にリュックに帽子。
人によっては大きなカメラを持っている。

一方、若い同業者はあまり見かけない。
若い人は仕事にプライベートに忙しいのだろう。
短時間で旅するなら車が便利だ。
普通列車では、第2の「青春」をこぢんまりと楽しむ中高年に混じって、少数の青少年が本来の青春を謳歌していると感じる。
ーーー
18きっぷでは、普通列車の乗り換えを調べるのに手間がかかる。
列車だけで目的地に着けない場合は、ローカルバスなどの時刻も調べる必要がある。
逆に、それを調べるのが好きという人は向いている。
旅の楽しみの1つは、計画を練ることだと言えれば、18きっぷでの長旅は楽しくてしょうがないだろう。
ーーー
1つ困ったことがある。
トイレを利用しにくいことだ。
普通列車にトイレがないことが多い。
次の乗り換えのとき、駅のトイレを利用すればいいと考えていたら、乗り換え時間が1分しかないということもある。
では次の列車で、と調べたら、次は1時間後ということが普通にある。
余裕を持った行程にしておく必要がある。
ーーー
そんなこんなで、18きっぷは少々不便であるが、時間に余裕がある中高年に愛されているようだ。
18きっぷの利用期間のうち、最も自然が美しいのは夏だろう。
今年の夏も、18きっぷでどこかに行けたらと思う。