前回は、JRの青春18きっぷ(以下、18きっぷ)の概要や歴史などについて書いた。
今回は学生時代の思い出になる。
学生時代、東京から実家まで帰省するのに18きっぷを使っていた。
18きっぷのおさらいをすると、JRの普通・快速列車に1日乗り放題(1回分)。
途中下車も自由。年齢制限なし。
普通列車で帰省すると、10回ほど乗り換えて十数時間かかった。
【 切符の買い方 】
18きっぷのセット枚数や価格は時々変更された。
私の学生時代は5枚綴りで1万円だった。
5枚もいらないので必要分だけ金券ショップで買った。
1枚2000円より高めに買っても超お買い得だった。
今ならヤフオクなどでも販売している。
(これはグレーらしい)
【 旅程の下調べ 】
スマホがない時代だった。
列車の乗り換えは事前に調べておく必要があった。
切符が片道2000円ほどなのに1000円近い時刻表を買うのはもったいなかった。
それに持って行けば荷物になった。
そこで、JRの駅の時刻表で旅程を調べて全部書き写した。
10回ほど乗り換えるので結構手間がかかった。
臨時列車も出ていたし、休日運休もあった。
普通は終着駅で乗り換えるが、途中で快速に乗り換えたほうが早い場合があったりしてややこしかった。
しかしそれがちょっと楽しかった。
帰省するときは、そのメモだけを頼りにしていた。
それで困ったことはあまりなかった。
(困ったことは次回書きたい)
↓ パロディを作ってみた
【 道中の過ごし方 】
帰省は、新幹線なら数時間、普通列車なら十数時間かかった。
朝6時前に家を出れば、夜10時に実家に帰り着いた。
旅費が浮いた分はアルバイト代と考えた。
片道1万円以上、往復2万円以上浮いた。
働きもせず、座って音楽を聴いたり小説を読んだり。
ときには同郷の友人と一緒に帰り、話をしながら車窓の景色を眺めたり。
これで1日1万円ならおいしい。
ただ、十数時間座っているのはさすがに長い。
当時、音楽はウォークマン(の類似品)でカセットテープを聞いていた。
何度も聞いたら飽きてくる。
テープが伸びるのではないかと心配した。
マンガは一瞬で読み終わる。
東京で読み始めたら、小田原までもたない。
最も時間つぶしになるのは小説だろう。
読むのが遅いので、数時間はつぶれる。
ただ、列車の中では本が揺れて目が疲れる。
友人と一緒に帰ればだいぶ違った。
列車の騒音に負けないよう大きめの声で話をした。
でも、そのうち話が尽きてくる。
ということで、ぼーっとしている時間が長かった。
今は嗜好が変わって、長時間ぼーっと車窓の景色を楽しむことができる。
若い頃は、鮮やかな緑の山々や風になびく稲穂を見てもつまらなかったが、今はそれだけで癒される。
スマホがあれば、いくらでも時間潰しができただろう。
本当にいい時代になったものだ。
(つづく)