東京都知事選では、候補者が選挙対策や政策立案にAIを活用するらしい。
AIによる選挙が当たり前になってきた。
一方、海外ではAIが選挙に立候補するというニュースを見た。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/334118
米国では、ワイオミング州シャイアン市の市長選にヴィクター・ミラー氏が立候補した。
当選したら自分の代わりにAIが指揮を執るという。
ミラー氏が作成したチャットボット「VIC」が決定を下し、ミラー氏はVICの指示に従って身体的な活動が必要な仕事をする。
ミラー氏によれば、VICは市の職員より優れたアイデアを持っており、法律にも精通しているとのこと。
https://news.livedoor.com/article/detail/26625051/
また、英国では、人工知能の政治家「AIスティーブ」が総選挙に出馬した。
AIスティーブは、スティーブ・エンダコット氏のアバター。
市民の声から作成した政策を市民が採点し、50%以上の点数を得た政策だけを採用する。
米英の事例では、AI自身が政策を立案・採用するようだ。
米国のミラー氏が言うように、AIは役人や政治家よりもはるかに多くの住民の意見を聞き取ることができるし、法律も全て把握している。
だから良い政策を作成できる可能性がある。
一方、人間政治家が作成したり賛成したりする政策には、市民の要望のほかに様々な背景がある。
政治家は選挙に勝って初めて政治家になれる。
落選したら タダの人 と言われる。
選挙に勝つためには、自身の支持基盤を大事にしないといけない。
支持基盤の望みを吸い上げ政策に反映しなければならない。
また、政治は応援合戦だ。
例えば市長選であの人を応援しといたら、市議選で自分を応援してくれるだろうとか。
市長の政策を支持しといたら、自分の政策も支持してくれるだろうとか。
AIが政策を立案すれば、特定の個人や団体とのしがらみはない。
市民の要望を反映した政策を出してくれるだろう。
人間が介入しなければ。
もっとも、市民の要望が政治的に正しいことかと言われれば疑問が残る。
市民は自分に都合の良い政策に賛成する。
公共料金を安くするとか、金をばらまくとか。
(不思議と、政治家の政策とほぼ同じだが)
それが国の長期的、継続的繁栄になるだろうか?
どちらが政策を立案しても、市民がチェックする必要はあるだろう。
その結果を反映して、また人間政治家がAI政治家と切磋琢磨して、より良い政策の作成に努めていただければありがたい。