このままでは日本人の国がなくなる

少子高齢化が日本最大の問題だと思っている。

6月5日に厚生労働省が令和5年の人口動態統計について公表した。
それによれば、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は1.20となった。これは統計を取り始めて以降、最低の値であり、8年連続で前の年を下回った。
また、東京都は全国の都道府県で最も低い0.99で、1を下回った。
(人口を維持するのに必要な出生率は2.07と言われている)

そのほか、
・出生数は72.7万人に減少
・死亡数は157.6万人に増加
・婚姻件数は減少、離婚件数は増加
などとなっていた。

以下、個人的に興味深いデータを紹介したい。

〇 出生率
出生率は、2015年頃から減少傾向が著しい。
1960年頃には、人口維持に必要な2.07を下回っていた。



母の年齢別に見ると、
・20代の出生率は1975年頃からほぼ一貫して減少
・30代の出生率は増加傾向だったが、2015年頃から減少に
ということで、出産の高年齢化、少子化の加速が読み取れる。

都道府県別に見ると、
・関東、京阪神といった大都市部は低い
・地方のうち、温暖な九州や中四国は相対的に高いが、人口維持レベルには及ばない
・寒冷な北海道や東北は低い
以前調べたら、九州や中四国は人口減少率が高かったが、出生率は逆の傾向(高め)になっている。

〇 婚姻
婚姻については、女性の初婚年齢も報告されている。
2023年(太線)は、2003年(点線)と比べて、
・20代前半の初婚者が減少し、30代が増加。
・初婚者のピーク年齢は、25〜28歳で変化していない。
ピーク年齢が高い方にずれたと思っていたが、そうではないようだ。


〇 死因

男女で年齢別死因の傾向はほぼ同じなので女性のデータを示す。
・ガン(水色)で死亡する人の割合は60歳前後で最も多い。
・それ以上の年齢では減少して、90代では老衰(ドット)が最多となる。
高齢化によりガンが増えたと理解していたが、老衰のほうがもっと増えたようだ。


以上、人口動態統計について興味がある点を紹介した。

出生率が人口維持レベルを下回ったのは1960年頃だ。
それから60年も経って、人口が減る、国が無くなると大騒ぎしている。

今後、国がお金をかけて少子化対策を進めるようだが、若い女性の意識が変わらなければ少子化は止られないと思う。
政治家が、子供を産むのが当たり前だと言えば、大炎上して政治生命を奪われかねない状況。
腫れ物に触るように、できれば子供を産んでほしいなあと言っても言わなくても、結果は同じだろう。
国民の意識を変えることは、有効にお金を使うことと同様に極めて難しい。

少子化対策の切り札は、外国人の誘致だと思うが、国は積極的に進めるつもりはないようだ。
外国人で溢れる日本と、静かに滅んでいく日本人の国、どちらがマシかということになる。
静かに滅んでいけば、結局は外国人の国になるのではないか?
美しい自然や安全な水に恵まれ、海の幸、山の幸も豊富な日本を外国人が放っておくとは思えない。
出生率の向上策と合わせて、外国人との共存策を真剣に考えるべきではないか?