空き家(実家)の管理には楽しみも必要

以前、実家の片付けについて書いた。

実家の片付けは大変だった(1) - そこはかとなく

空き家になってからしばらくの間は実家を管理していた。
いろいろなことをした。
・伸びてくる樹木の剪定
 敷地の周囲に生垣があり、この剪定が大変だった。
 木を一部間引いても枝はどんどん生えてきた。
 庭の木の剪定はシルバー人材センターに依頼した。

・草抜きや除草剤散布は年に数回
 面倒なので草除けシートを貼ったが、貼っていない所に草が生えた。
 草除けシートを貼っても数年で劣化する。

・田んぼには、グランドカバーとしてシロツメクサ(クローバー)を植えた。
 これは1年たったらすごい勢いで広がった。
 花が咲くと美しいが、冬は葉が枯れた。

・井戸水の水道管が漏れだしたので、ポンプを停止した。

・ベランダの手摺が錆びてきたのでペンキを塗った。
 ちょっとオシャレな色にしてみた。
 ペンキ塗りは結構好きだった。
 屋外だけど、薄め液で喉をやられた。

↓こんな風にはしたくなかった。

その間に家の中の遺品を片付けていった。
庭石は石屋さんに、金属屑は屑屋さんにタダで引き取ってもらった。

その間、これらの苦行だけではなく、ささやかな楽しみもあった。
・庭木の梅、柿、スモモなどは毎年収穫できた。
 梅は梅酒、梅ジュースや梅干しにした。
 キンカンは甘露煮にして大福にもした。

・田んぼで家庭菜園をした。
 あらゆる野菜やスイカ・メロンなどを作った。
 店で売っている物より美味しい物もあった。

・夏は庭にボンボンベッドを拡げてぼーっとすることもあった。

そんなこんなで10年ほど経った。
いろいろ思い出が積もってくると手放したくなくなる。
セカンドハウスにしてはどうかと思ったこともあった。
(民泊にするには修繕費がかかった)

しかし、税金がかかるし、少額だが電気代や水道代もかかる。
老朽化が進んで、外壁の化粧板が剥がれ、灯油ボイラは故障した。
大雪の時、雨どいが落ちてきた。

それで手放すことにした。
不動産屋には相手にされないので、親戚の人にタダ同然で現状渡しで譲渡した。

その契約ができたとき、庭のスモモの木が根元から折れた。
偶然だろう。
子供の時から毎年、熟した実を取って食べるのが楽しみだった。
私との別れを惜しむかのように折れてしまった。
それがちょっと残念だった。
親戚の人にも食べてもらいたかった。